【静止画DL違法化法案】 参院選までの陳情のやり方(2019年3月31日版)

3月23日に役人が虚偽報告を行っているので政治家に対して注意を呼び掛ける記事を書きましたが、その後動きがありました。

 

文化庁文科省

1.文化庁作成の法案には何ら問題はない。

2.法案作成過程の審査はなんら問題なく完了している。

3.政治家へ正しい説明を行ってきた。

4.国民は誤解しているだけなので、現行案のまま国会に再提出をする。

と主張していますが、実際には

1.文化庁作成の法案は法学者などの専門家によって検証されつくしており、問題だらけであると結論付けられている。

2.立案作成過程審査は無理矢理打ち切られた。

3.政治家に対して虚偽報告を行っている(現在進行形)。

4.国民は問題を正しく理解している。法案を適切に修正して解決に繋げようという動きが与野党双方にあるが、その動きをより大きくしてゆく必要がある。

のは皆さま把握されていることと思います。 

 

【議員事務所からお返事を戴きました】

さて、ここからが本題になります。陳情書を送付した議員さんの事務所から連絡があり、内容に関する確認の後に色々とアドバイスをいただきました。

その内容を記しておくとともに、陳情書テンプレに反映させておきました。

・自分が言いたいことをA4用紙一枚か二枚に収めるのは正解。国会議員への手紙は議員会館の事務所に出すのが一番。

・(ローカルな話は地元の議員に言って欲しいけど)法律とか日本全体に影響する話なら地元以外の議員さんにも手紙を出すことは良い事。たとえば北海道に住んでる人が神奈川の議員さんに陳情するのは特におかしいことではない。議員はアピールできる業績のタネを常に探している。

・陳情が来たらその分野が得意な議員さんに話を回す事は普通にある。
同じ派閥の中の議員に話を回す事はかなりあるし、出身大学繋がりや個人的な付き合いで与野党をまたいで連絡が行くこともある。他には難病関連なら公明党のなんとかさんに紹介すればなんとかなる、とか(わたしが住んでいる関西は公明党が強いのでそういう事になっているらしいです)。
そういうつながりは政党のホームページには載ってないし、普通はわからないので、何人もの議員さんに手紙を出せるだけ出すのがいい。

・自分が言いたい事について、根拠を裏付ける資料があれば、必ず添えて欲しい。調べる手間が省けるし、力になれる事が多くなる。また、たとえば関係のある議員さんの名前が書いてあれば、すぐに電話して話を聞いたりできるので書いて欲しい。

 

【陳情書テンプレ】

⇒⇒話を総合して今回のダウンロード違法化の件に応用すると、

1.A4 1-2枚にまとめた自分の意見に

2.意見の根拠として、自民党古屋圭司議員がマンガ議連代表として法学者に依頼して調査させた際の報告書(明治大学知的財産研究所のホームページに置いてあるもの)を添えて

3.国会議員さんの議員会館事務所に送る。送る数は多い方が良い。

 

 のが最も効果があるようですので、以下のような陳情書テンプレを作成しました(与野党の議員の先生全員に対して使えるように作りました)。

前略 XX党 衆議院議員 XXXXX様

突然、この様な手紙を送る無礼をお許し下さい。私はXXに在住するXXXと申します。文化庁が作成した違法ダウンロード規制に関する著作権法改正案に関して意見を申し上げます。

1.当法案は問題が多かったため次回以降の国会で再提出になりましたが、文化庁の役人が「法案に問題があるのはデマだ、誤解だ」と国会議員の先生方、たとえば山本朋宏衆議院議員(神奈川4区・自民党)に何度も虚偽説明をして回り、一旦引っ込めた原案のまま再提出を行おうとしているようです。

2.当法案については既に自民党古屋圭司議員が「マンガ議連」代表として法学者に依頼して深く調査させており、それによりますと規制の範囲が非常に広く国民全員の生活に大きな影響を及ぼす事、違法海賊版サイトの取り締まりに全く効果が無い問題だらけの法案である事が判っております。文化庁が言うような「誤解」でも「デマ」でもありません。

3.法案の原文と報告書を読み理解した上で申し上げます。漫画村のような違法海賊版サイトを潰すことに異存は有りませんが、法案を修正しない事は論外であり、規制の範囲を最大でも「原作のまま一定のまとまりで」かつ「権利者の利益を不当に害する場合」に限定するよう求めるとともに、法学者や漫画家だけでなく情報セキュリティ分野の専門家なども呼びつけ、なお一層問題を洗い出させた上で適切な法案を文化庁に再作成させることを強く求めます

4.明治大学知的財産法政策研究所の報告書を同封いたしますのでご査収いただくとともに、文化庁の役人が来たらこの資料を突き付けて問い詰めて下さい。

報告書の出典:http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190219seimei.html
(1)ダウンロード違法化の対象範囲の見直しについての意見(要旨) 2019 年 2 月 25 日(2019 年 3 月 2 日一部修正)

 (2)「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」に関する自由民主党文部科学部会・知的財産戦略調査会合同会議(平成31年2月22日)配布資料の検証レポート

 

以上、僭越ながら私の意見を述べさせていただきました。ご多用中にも関わらず、私の拙い意見を読んでいただき、誠にありがとうございました。乱筆乱文についてはご容赦願います。ではこの辺で失礼させていただきます。

草々

平成31年3月31日

氏名:

住所:〒

TEL:        E-mail:

今回も必要最低限の事柄をA4一枚に収まるように全て入れておきました。あとは皆さまの手で改良して下さればと思います。

 ※陳情書は一回出したらその議員さんには二度と出せないわけではありません。状況の変化に応じて何度もだして大丈夫です。

【同封する資料の選択について】 

明治大学知的財産法政策研究所のサイト(↓)

www.kisc.meiji.ac.jp

には資料がたくさんあってどれを政治家に送ればいいのか考えたのですが、

本意見書は、MANGA議連(マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟)会長の古屋圭司衆議院議員より依頼を受け、2019 年 2 月 25 日に提出をしたものの要旨です。今後の議論の参考資料として本意見書を公表します(2019 年 3 月 4 日)。公表に際し、意見書提出後に公表された文化庁の説明資料等をふまえて修正を一部行っています。

 

上記の通り与党国会議員の名前がガッチリと書いてある「ダウンロード違法化の対象範囲見直し についての意見 (要旨)」と、

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190304ikenyoushi.pdf


「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」に関する自由民主党文部科学部会・知的財産戦略調査会合同会議(平成31年2月22日)配布資料の検証レポート」

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou1.pdf

を陳情書に添えて送るのが一番よいのではないかと思います(もちろん上記の二点だけが正解という訳では無いと思いますので、皆様の陳情書に一番フィットする資料を選んでもらえればと思います)。

 

誰に送れば良いのか(重要)】

自民党文部科学会や知財関連に関係のない議員さんに対して役人が嘘をついて回っているようですので(=予備知識の少ない議員さんなら騙しやすいから)、注意喚起する対象は与野党の国会議員さん全員ですので、まずは自分の選挙区の議員さんに出して、その後にその他の選挙区の議員さんに出すのが今回は適切です。

加えて、陳情先は地方議会の議員さんや落選中の元議員さんでもかまいません。一人でも多くの方に情報が行きわたる事が大切ですので、「党の内外で情報を共有してほしい」旨を書くとなお効果があります。

選挙区についてはWikipediaに詳しい解説がありますので、参照すると便利です。

ja.wikipedia.org

【陳情についての注意点】

・手紙は基本的に郵送(封書・はがき)かメールで送付して下さい。FAXは使わないようにお願い致します。郵送する際には、レターパックを使えば速達扱いで次の日に届きます。レターパックは郵便局に行かなくても、ローソンで売っています(二種類あるうちの安い方:360円の「レターパックライト(青いやつ)」で大丈夫です)。

 ・お仕事や家庭の事情など様々な理由でお手紙を出す事が難しい方、お時間が無い方は、議員さんが公開しているメールアドレスや、議員さんのWebサイトにあるメールフォームなどから陳情書を送付して下さい(どこの党でもかなり読んでいます)。一人でも多くの議員さんに意見を届ける事が大切ですが、決して無理をなさらぬようお願い致します。

・議員さんの事務所を訪問する際はアポイントメントを取るようにお願い致します。

・議員事務所に電話を掛けて陳情する場合には、ご意見を話す前にその旨を伝えて承諾を得てから失礼のないようにお願い致します。

・「この法案が通ったら殺してやる!」のような脅迫じみた文言は絶対に使わないようにお願い致します。

以上、ひきつづき政治家の先生方に 声を届けて戴ければと思います。

 

【追補】

 

 

古くは手塚治虫先生の漫画でさえも弾圧され、最近では都条例問題や児童ポルノ法問題など色々とあったので政治に疎い漫画家の先生は少ないと思いますが、強い影響力を持っているのにその力の使い方も戦い方も上手くない漫画家の先生方は大変多いと考えています。

寝る暇もなく命を削って漫画を描かれている先生方が大半なのでそれは仕方がないと思うのですが、先生方のアカウントをフォローしてくれている方々に対して、本件に関して政治家への陳情をこまめに何度も呼び掛けたり、出版社に対して、政治家に何回でも事情説明に行って欲しいと要求したりするだけでもこの後の状況が全然違ってくるのではないか、とわたしは思っているのですが。いかがでしょうか。

文責:綾波書店